太極柔力球とは

太極柔力球(たいきょくじゅうりょくきゅう)は中国で生まれたニュースポーツで、競技性、表現性、娯楽性、健康性を持ち、老若男女問わず全ての人が楽しめます。

専用ラケットと砂の入った柔らかなボールを使って行いますが、力を込めてボールを打ち合う球技とは異なり、ボールを迎え、ボールをラケットに納めて、弧を描くように引きつけてから勢いよく抛り出していきます。そのためには、力を抜いた、柔らかい動きが必要となります。

身体に無理のない運動ですので、誰でも気軽に行うことができます。中国全土に数多くの愛好者がいて、公園や街角で気軽に太極柔力球を楽しんでいます。

この太極柔力球は2002年秋に北京の釣魚台で行われた北京市人民対外友好協会とNPO法人東京都日中友好協会の主催による日中国交正常化30周年「市民交流の集い」で、日本の代表団に披露されました。

2004年、日本人の健康増進と日中友好促進を目的として、東京都日中友好協会と社団法人東京都レクリエーション協会が協力して日本太極柔力球協会を設立。2009年には法人格を取得し、日本国内における太極柔力球の普及・振興・発展のためにさまざまな活動を行ってきました。2013年の東京国体「スポーツ祭東京2013」に太極柔力球はデモンストレーションスポーツとして参加しました。

 

■歴史

1991年中国山西省晋中衛生学校の白榕副教授が「安全でかつ誰もが楽しめるスポーツを開発しよう」ということで、中国古来の太極思想と現代球技の要素を融合させて、太極柔力球を創案しました。1994年、中国の全国総工会は審査を経て太極柔力球を第3回全国労働者スポーツ大会の正式種目として採択し、これにより新しい種目が中国スポーツ界の大舞台に登場したのです。

2006年5月、温家宝首相は自らラケットを持ち、訪中した独メルケル首相に中国生まれのニュースポーツとして太極柔力球を紹介しました。現在、中国国内には50~60万人の太極柔力球愛好者がいるといわれています。

 

■太極柔力球の特徴

専用のラケット・ボールを使って身体を動かすスポーツです。

全身を使うので、リズム感覚・バランス感覚・柔軟性が養われます。

身体に無理なくゆったりとした動きで自分のペースで行うことができますので、性別・年齢・体力・身体的状況を問わず、誰でも気軽に楽しめます。

演技・ゲーム・フィットネスの3つの楽しみ方ができます。個人でもグループでも楽しむことができます。

スペースに関わりなく、室内・室外でもどこでも練習することができます。

 

■太極柔力球の用具

①ラケット

全長45cm、直径23cmの大きさのラケットです。ラケット面には弾力のある薄いラバーが張られています。

②ボール

テニスボールと同じくらいの大きさで(直径7cm)で、中に砂が入っています。

 

■太極柔力球の基本技術

1.四大特徴  「柔」「円」「引」「整」

①「柔」:太極柔力球の精神です。「柔」があってこそ力と化して、剛を制することができます。

②「円」:太極柔力球のあらゆる技術動作は「円」を核心として行われます。

③「引き」:太極柔力球の動きは「引き」を前提として行われます。

④「整」:太極柔力球の一番の基本です。一つ一つの動作は、全身の協調・バランス・勢い等の「整」が必要です。

 

2.三大基本動作 「迎」「引」「放」

ボールがラケットに入ってから出ていくまでは「迎」「引」「放」で構成され、自然・流暢で途切れることのない動きになっています。

 

■太極柔力球の基本動作「規定套路」

太極柔力球は、身体の力を抜いて柔らかい動きで行う全身運動ですが、その基本となる動作があります。それを組み合わせて一連の動きにしたものが規定套路です。

最初はこの規定套路1をマスターしていきます。規定套路1をマスターすると次は規定套路2にチャレンジです。

1.規定套路1

①左右擺動 ②正面繞環 ③左右転体 ④左右小抛 
⑤正反抛接 ⑥腿下抛接 ⑦身后抛接 ⑧整理運動

2.規定套路2

①左右擺翻 ②頭上平繞 ③左右繞翻 ④擺翻転体
⑤左右抛翻 ⑥身后抛接 ⑦前后繞翻 ⑧八字繞環

 

3.技術検定

協会は、年2~3回、中国から検定委員を招請し、技術検定会を実施しています。

技術検定は1級~5級のレベルに分かれています。受検者は規定套路を演技し、検定委員がその技量を審査して評価し、合格すると技術検定1~5級が認定されます。

 

■競技

1.演技

音楽に合わせて演技をする採点競技です。
規定套路演技と自選(オリジナル)演技の2つがあり、シングル、ペア、団体で演技します。

 

規定套路は各動作がきちんと演じられているかと全体的印象を採点します。自選(オリジナル)演技は、動作難度・完成度・全体印象などを採点します。

 

2.ゲーム

規定のコートでネットを挟んで行い、得点を競う競技です。
テニスのようにボールを打ち合うのではなく、太極柔力球の基本「迎」「引」「放」に則って、ボールを放りあいます。シングルス、ダブルス、混合ダブルスがあり、3セットのうち、2セットを取ったチームが勝ちです。
青少年・中高年の2種類のカテゴリーがあり、得点数やコートの大きさ・ネットの高さが異なります。

 

ネット高シングルスダブルスポイント
中高年用1.75m10m×5m10m×6m11点先取
青少年用1.85m12m×5m12m×7m21点先取


 

■太極柔力球の国際大会

日本太極柔力球協会は、北京での国際大会への選手団派遣および東京での国際大会を開催しております。

 

2006年6月 北京国際柔力球交流大会
北京市石景山区 石景山体育館
中国各地、日本・ドイツ・スイス・オーストリアからチームが参加 日本太極柔力球協会からも32名の選手が参加
2007年12月 国際太極柔力球交流大会inとうきょう
東京都調布市 味の素スタジアム体育館
貴州・雲南・山東省の代表チーム、山形・東京・愛知・熊本のチームが参加
2009年3月 国際太極柔力球交流大会inとうきょう
東京都世田谷区 駒沢体育館 
北京市西城区の代表チーム、山形・東京・埼玉・愛知・熊本のチームが参加
2011年7月 2011新首鋼杯
北京国際柔力球交流大会
北京市石景山区
首都鉄鋼体育センター
中国各地、日本・香港・澳門・インドネシアから23チーム527人が参加しての最大級の国際大会。日本太極柔力球協会が35人の日本代表チームを派遣。優秀賞を受賞。
2012年3月 国際太極柔力球交流大会inとうきょう
東京都調布市 味の素スタジアム体育館
中国から陝西省漢中市の老年人柔力球チーム18人が来日。日本側の東京倶楽部・中野柔力球愛好会・太極柔力球を楽しむ会"翔"と技を競い合った。
2013年9月 2013北京国際太極柔力球交流大会
北京市石景山区 石景山体育館
中国各地を始め、日本、香港、台北、ロシアなど合計18の国と地区から54チーム、650名が参加した国際大会。日本代表チームは15人が参加し、優秀賞を受賞した。

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